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匠の技の伝承
我々のアプローチの特徴は、匠の技の業務分析を行うことです。
業務分析
A) まず、対象となる匠の技は、どのような業務を含むのか、確認します。
例えば、・・設備のメンテナンス業務とか、最終工程での・・・業務とかです。
B) 当該業務に関するマニュアルや説明書を検討します。ほとんどの場合、そのような書類が存在しないか、数ページの簡単なものしかありません。例えば、3時間の作業であるけれども、そのマニュアルは5ページとか。
C) マニュアルが存在しない場合はヒアリングで、存在する場合はその内容から、大まかな作業工程を作成します。我々は、”行動(=Behavior)“を重視することから、Behavior-Based Information Tree (行動ベースの情報木)を作成します。(下図のボックスの中が作業内容です)
D) 通常は上図のような情報木にはなりません。しかしながら、担当者に相談すると、「マニュアルには記載されていないが、Aの業務とBの業務の間にABという業務を行っている」とか、「Cの業務では、xx図を参照している」とかのコメントがでます。そうすると、情報木は だんだん充実し、電子化していますので、ボックスに参考となる図や表、写真、動画などをリンクできます。最初の段階が、情報木の充実です。
E) 続いて、実際の業務を行ってもらいます。その時間は30分の場合もありますし、5時間の場合もあります。実際の業務をビデオ撮影し、それを編集し、上述の情報木のボックスにリンクさせます。つまり、各業務の内容をビジュアルに示す訳です。
F) この段階で、業務分析し、業務内容をビジュアル化することによって、通常匠の技と呼ばれている中で、本当に技術を要する業務の洗い出しができます。それは、5時間と言われている業務のなかの20分になる場合もあります。従って、その20分について、どのようにすれば伝承できるかを考えればよいということです。
G) これらは電子化されていますので、クラウドで世界中の類似の製造ラインからアクセスすることができます。
匠の技の伝承支援
業務分析を行った後の真の意味での匠の技を、どのように伝承支援するかについては、
①VR (Virtual Realty 仮想現実)やモーションキャプチャー ②人工知能 の適用などが考えられます。